2023年9月8日付
コロナ禍以降、わたしたち一人ひとりに求められたのは「新しい生活様式」だった。身体的距離の確保やマスクの着用、手洗いなど基本的な感染対策のほか、テレワークの導入など働き方の見直しも進められることになった▼こうした動きは「ニューノーマル」とも呼ばれた。大きな出来事が起こった際に以前の状態に戻らず、構造的な変化が定着する状況を指す。もっとも、この言葉自体はコロナ禍前からあり、主に経済やビジネスの領域で使われていたという▼昨今では猛暑や豪雨もまたニューノーマルといえるかもしれない。原因はわたしたちが排出する二酸化炭素などの温室効果ガスとされる。国連のグテレス事務総長は7月「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が来た」と警告。温暖化対策を加速させるよう訴えた▼先日、今夏の気温が史上最高だったと報じられた。6日には環境省が現行の「熱中症警戒アラート」よりさらに危険度が高い「特別警戒情報」の運用指針案を公表した。危険度を示す「暑さ指数」が35度以上になると予想される場合とし同省の検討会は同指数を「過去に例のない危険な暑さ」と定義。まさに沸騰化の様相である▼同省は7月、脱炭素社会の実現に向けた国民運動の愛称を「デコ活」に決定したと発表した。まだなじみが薄い感じだが、とにかくわたしたち一人ひとりが自分事と考え、行動を始めるしかない。