歌唱指導50年生徒がお祝い 駒ケ根の三澤さん

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記念コンサートを企画した「駒ケ根女声コーラス」のメンバーと、指導者の三澤照男さん(前列中央)

駒ケ根市を拠点に県内で広く歌唱指導を行う音楽家の三澤照男さん(80)が今年、駒ケ根女声コーラスの指揮を始めて50年を迎える。17日には同コーラスを中心に、三澤さんが指導を手掛ける長野市や飯田市の女声コーラスグループ、少年少女合唱団など7教室の総勢約150人が出演する記念コンサートを、駒ケ根市文化会館大ホールで開く。教え子たちは恩師の傘寿と指導の節目を盛大に祝おうと本番に向けて練習を重ね、歌声に磨きを掛けている。

■基本に則して厳しく熱心に

三澤さんは駒ケ根市出身。武蔵野音楽大学声楽科に在籍中、声楽、作曲、ピアノ演奏の分野で一線級の演奏者に師事。卒業後は、都内の音楽事務所に所属し、声楽家とピアノ演奏者として活躍した。

その後、1973年に長野県内の合唱愛好者からコーラスグループの歌唱指導を頼まれ、週末には東京―長野を往復する生活が始まった。「当初指導は、そんなに乗り気ではなかった」と振り返る三澤さんだが、いざ講師を引き受けると基本に則した厳しく熱心な指導を展開。歌唱に優れた母親たちが出場を目指す全国大会「全日本お母さんコーラス」には、駒ケ根、長野、飯田の各グループを計19回出場に導いた。

さらに駒ケ根女声コーラスを中心に教え子らが出演するミュージカル「早太郎物語」をはじめ、オペラ「青獅子」「おしち」などを上演した。

17日の本番を前に仕上げの練習に打ち込む駒ケ根女声コーラスのメンバー

■地元のホール建設にも助言

歌唱指導の傍ら「地元の人たちが一流の音楽芸術に触れる機会を増やしたい」と「伊南の文化を高める運動推進協議会」の先頭に立ち、駒ケ根市文化会館大ホールの建設に尽力。クラシック演奏に適した建物を目指して設計時から助言を行った。そのかいあって、大ホールは後にプロの奏者から「音の響きに優れている」(新井克太郎館長)との評価を得るようになった。

その後、大ホールでは自身が代表を務める駒ケ根音楽文化協会が、声楽やピアノの演奏会、オペラなど計117回の公演を主催してきた。

■7教室150人が感謝込め熱唱

17日のコンサート「三澤照男先生と共に50年」は午後1時30分開場、2時開演。駒ケ根女声コーラスの合唱で幕開けし、三澤さんが指導する各グループが歌声を響かせる。終盤では駒ケ根、長野、飯田の3女声コーラスグループが合同で出演する。入場料は1000円(18歳以下無料)。

主催する駒ケ根女声コーラスの池上志津子代表は「三澤先生が音楽を地元に根付かせた功績は多大」とし、「当日はお世話になっている7合唱団が集まり、先生の傘寿と指導歴50年を祝いながら感謝の気持ちを伝えたい。ぜひ、音楽に携わる多くの方のご来場を」と呼び掛けた。問い合わせは池上さん(電話0265・82・2011)へ。

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