裁判員経験者「自問も」 法曹3者と意見交換会

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県内で開かれた裁判員裁判の裁判員経験者と法曹3者(裁判官、検察官、弁護士)の意見交換会が16日、長野地裁松本支部であった。殺人など四つの事件の裁判員を経験した男女7人が出席。裁判に関わった感想や改善点などを話し合う中で、殺人事件を担当した40代パート女性(北佐久郡御代田町)は判決を下した心境について「判決後も夢の中に出てきて、眠れない日があった」と苦しんだ当時の胸の内を明かした。

現住建造物等放火事件の裁判に携わった50代の女性看護師=諏訪市=は、「判決が決まったときはこれで良かったと思った」とした上で、「今でも本当に良かったのか。自問する自分がいる」と心情を吐露。「私が判決に加わっていいのかという戸惑いもあった」(50代の主婦・松本市)とする声もあった。

量刑の決め方については、経験者から「基準となる判例をもっと早い段階で示してほしかった」との要望があった一方で、「早く示されるのはいかがなものか。かえって先入観がない方がいい」と賛否が分かれた。検察の冒頭陳述や論告については「難しい用語も解説してくれて、とても分かりやすかった」とおおむね好評。弁護人に対しては、住居侵入・強盗致傷事件を担当した60代の男性が「被告が罪を認めたこともあってか、弁護する姿勢に物足りなさを感じた」と苦言を呈した。

裁判員裁判に関わった7人は「貴重な経験だった」と口をそろえ、「人生の引き出しが多くなった。機会があればもう一度やってみたい」「社会に関心を持つようになった」などと前向きに捉える声が多く、一般市民には「裁判員に選ばれたらぜひ参加してほしい」と呼び掛けた。

意見交換会は、経験者から率直な意見や提言を出してもらい、今後の裁判員裁判をスムーズに運営する狙いで不定期に開いている。司会を務めた長野地裁の伊東顕総括裁判官は「経験者からの意見や提言は今後の参考にする。(一般市民にとって)裁判は異質な世界であり、きちんと手順を踏んで、裁判員裁判を理解してもらうよう努めたい」と話した。

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