映画「悪は存在しない」銀獅子賞にロケ地喜び

受賞の知らせを受け、報道陣の取材に応じる(右から)宮坂知宏さん、栞奈さん、聡一君、清美さん=諏訪市役所
第80回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した映画「悪は存在しない」は、富士見町や原村が主要ロケ地だった。受賞の知らせを受け、撮影に関わった地元住民からは驚きと喜びの声が上がった。諏訪地方観光連盟諏訪圏フィルムコミッション(FC)の宮坂洋介さん(45)とエキストラ出演した諏訪市上川の親子4人が11日、諏訪市役所などで撮影の様子を語った。
同FCによると、撮影は2月16日から3月7日の20日間、富士見町立沢区の立沢構造改善センターやため池などを舞台に行われた。映画全体の8~9割程度が諏訪地方で撮られ、地元から延べ100人ほどがエキストラとして参加したという。
立沢区での撮影に参加した宮坂知宏さん(39)の家族は、長男の聡一君と長女の栞奈さんが子役らとボールなどで遊ぶ場面に臨んだと明かし、「皆優しくて、楽しくできた」と振り返った。知宏さんは「受賞映画に関われてうれしい。家族一緒に映画館で観たい」と公開を待ち望んだ。
ロケの誘致に力を入れる同FCの宮坂さんは同センターを訪れ、「地元の諏訪地域の皆さんが協力してくださる体制ができているのが今回の結果につながった」と感謝。同区の小池義弘副区長(64)は「受賞を報道で知って驚いた。とてもうれしい。映画を通じて多くの人に富士見を知ってもらえたら」と期待した。