城南小5、6年 「自由進度学習」を試験導入

城南小で試験導入された単元内自由進度学習の算数の授業
諏訪市城南小学校は今学期、市内初の試みとして、5、6年生の算数の授業に、「単元内自由進度学習」を試験的に導入している。一斉授業を行わずに、児童が個々のペースで学習を進める。同学習の狙いは「自立した学習者の育成」。取り組む課題の難易度から時間配分までを児童自らが思考し選択する、自主性を重んじた授業を展開する。
今学期では5年が「面積」、6年は「円の面積・立体の体積」の単元を対象とし、教科指導担任が事前に作成した学習教材を用いて、個別に学習する。
大日方正壽校長によると、必修内容と発展学習がポイントで、児童が自身の得意や苦手に合わせた内容に時間をかけられる利点があるという。発展学習では▽諏訪湖の水の体積を求める▽工作用紙で指定された体積の模型を作成▽家の間取りを考える―など、単なる応用にとどまらない身近な「数字」を取り入れた課題が設けられる。
9日には地域開放参観日が設けられ、保護者と地域住民に各学年の学びの様子が公開された。このうち、5年生の算数の授業では同学習の経過が披露された。指定の会場内であれば、どこで学習してもよく、中には廊下で教材を広げている姿も見られた。児童の一人は「授業がどんどん進んだりしないから、自分でやりたいように勉強できる」。息子の学ぶ姿を参観した母親は「友人と教え合ったりしているのが良かった」と話していた。
5年算数の教科担任を務める中澤悠樹さん(33)は「授業を始める前から学習を始めている児童もいる」と紹介。半面、従来の一斉授業よりも教材の準備に時間と労力がかかるとした。こうした課題について大日方校長は「一度(単元学習の)土台さえつくれれば、翌年にはそれを引き継ぎ、微修正して授業ができる」と前向きに捉え、「これから各学年に広げていければ」と展望を語った。