9.24岡谷市長選③ 人口減少
岡谷市の人口推移をみると、1980年の6万2210人をピークに減少傾向となり、2010年10月に行われた国勢調査では5万2841人、今年8月1日現在では4万6130人となっている。15年に策定した「岡谷市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン」では60年時点での展望人口を「4万人台を維持」に設定している。
市地域創生推進課では、人口減少による影響として「地域経済の衰退」「地区役員のなり手不足」などを懸念する。学卒者の都市部への流出も顕著で、市は首都圏や中京圏での就職説明会などでU・J・Iターンを呼び掛けている。県のジョブカフェ信州と連携し、若年者のための就労支援事業として出張形式の「ミニジョブカフェ」も開設。若年層労働者の定着に腐心している。
少子化対策としてさまざまな支援事業で出産や子育て、新婚世帯を応援。結婚相談や婚活事業で世帯の増加も期待する。同課は「岡谷市は公共施設や商業・娯楽施設が集中していて、住民満足度は高い。岡谷の魅力を内外に発信して、総合的な施策で人口増を目指したい」としている。
年齢3区分別人口をみると、生産年齢人口(15~64歳)は1985年の4万1217人をピークに減少。95年には老年人口(65歳以上)が年少人口(0~14歳)を上回り始め、少子高齢化のスピードが増している=図。
市内の高齢者クラブは2010年度には市内全区・地区で22団体あったが、現在は12団体に減少している。高齢者が増加する一方、解散した多くのクラブが理由として「役員のなり手不足」を挙げている。
市高齢者クラブ連合会の熊谷正憲会長(70)は「会員が減少し、連合会の活動も苦慮している。核家族化が進み、高齢者のみの世帯も増えている。高齢者が安心して暮らせる施策を期待したい」と話している。