2023年9月13日付
全国的に残暑が続く中で、またしても悲劇が起こってしまった。岡山県津山市で53歳の祖母が2歳の孫を保育施設に送るのを失念して車の中に置き去りにし、男の子が熱中症とみられる症状で死亡した▼昨年9月には、静岡県牧之原市の認定こども園の通園バス内で3歳女児が車内に放置され、犠牲になった。毎年、繰り返される悲劇。なんとか防ぐ手立てはないものだろうかと、心が痛む。今回の事故を受け、津山市の保育施設は2歳児が登園しなかったものの、保護者への確認を怠ったとして謝罪した▼子どもを預かる保育施設も、園児の未登園を何らかの手立てで確認をしていれば最悪の事態は回避できたのかもしれない。しかし、施設側の責任論が大きくなり、非難されるのは本末転倒な気がする。施設運営に携わる人たちにとってはやるせないだろう▼夫婦共働きや、核家族化の進展。保育現場での人手不足。いろいろな要素が絡み合い、子育て環境が変化してきている。未来を担う子どもたちを周囲の大人だけでなく、行政や社会も一緒になって援助するのは今の時代、必要不可欠だと感じる▼悲惨な事故を防ぐため、自家用車を含むすべての車に、大人が降車時に車内に子どもがいることを知らせる装置を搭載するといったハード面の整備促進を願う。しかし、どんなに機械が良くなっても大人一人ひとりの心構えが最も大切なのは論をまたない。