日本CATV大賞 ICTの番組が優秀賞

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受賞番組を制作した伊那ケーブルテレビジョンの鹿児島洋一さん

日本ケーブルテレビ連盟が主催する第49回「日本ケーブルテレビ大賞番組アワード」で、伊那ケーブルテレビジョン(伊那市)が制作した番組「伊那まちの理髪店~吉田理容館~」がコンペティション部門で最高賞の優秀賞を受賞した。併せて同番組はNHK国際放送局が「世界に広めたい番組」を基準に選ぶ「NHK WORLD-JAPAN」賞を受賞。今後、同局を通じて世界160の国や地域に向けて放送される。

「伊那まちの理髪店~吉田理容館~」は昨年11月に放送された29分の番組で、伊那市荒井の通り町商店街で創業以来130年間営業を続ける吉田理容館と、4代目店主の吉田里美さん(87)に密着したドキュメンタリー作品。客が来て、帰る日常の風景をありのままに紹介している。

制作したのは鹿児島洋一さん(46)。「昭和レトロな雰囲気のお店だったので、一度話を聞いてみたいと思っていた。商店街の活性化にもつながれば」と番組を企画した。昭和中期には多くの客が訪れ、住み込みの弟子もいたという老舗理髪店。往時のにぎわいは失ったものの、現在はお客さんや買い物途中に立ち寄った人がコミュニケーションを図る「コミュニティーの場」になっているという。

鹿児島さんが制作した番組が優秀賞を受賞したのは2013年、21年に続く3回目。審査では「シンプルだけど不思議な魅力。ロジックではなく世界の人に響く作品」と評価され、初の「NHK WORLD‐JAPAN」賞も受賞した。「これだけの賞をもらえるとは考えていなかった」と驚く鹿児島さん。番組を通じて「伊那まちや通り町を知ってもらい、足を運んでもらうきっかけになれば」と期待している。

今年の番組アワードには全国のケーブルテレビ局から160作品の応募があり、コンペティション部門には68作品が寄せられた。授賞式は7日に東京都で行われた。受賞を記念して伊那ケーブルテレビジョンは番組の再放送を予定している。放送開始時間は16日午後3時30分、17日午後9時40分など。

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