内閣改造 農水相に宮下一郎氏
岸田文雄首相は13日の内閣改造で、自民党の宮下一郎氏(65)=衆院長野5区=を農林水産相に起用する方針を固めた。宮下氏は初入閣で、厚生相や防衛庁長官などを務めた父創平氏(故人)と親子2代の入閣となる。上伊那地方の代議士が大臣に就くのは創平氏の1998年以来25年ぶりで3人目となる。
「地域社会の活性化が日本再生の原動力。伊那谷を二十一世紀の理想郷に」と訴え、初当選してから20年。多岐にわたる政策分野に精通し、立案に携わってきた政治家が初入閣を果たす。
東京大学経済学部卒。創平氏が防衛庁長官として初入閣した1991年、住友銀行を退社し秘書官となり、父の引退に伴い出馬した2003年に初当選。09年に民主党新人に敗れたが、12年に勝利し国政に復帰した。現在6期目。安倍派所属。
安倍内閣で財務大臣政務官、財務副大臣、内閣府副大臣。岸田総裁のもとで党政調会長代理に就任した。党の食料産業政策委員長、過疎対策特別委員長も務める。
この間、森林環境税や土地改良事業の予算増の実現、スマート農業推進のほか、近年は厚労部会など担当の政調会長代理としてコロナ対策を推進。地元では国道361号権兵衛トンネルや国道153号伊南バイパス開通に尽力した。
就任が決まった農林水産相関連では、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に伴う風評被害や中国の日本産水産物の全面禁輸による漁業への対応、ロシアのウクライナ侵攻などを背景にした食料安全保障といった課題が山積し、手腕が問われる。
宮下氏が農水相に起用される方針が固まったことを受け、後援会の杉本幸治会長は「副大臣を2回やり、真面目に取り組んできた。今回は大臣にという思いが強かったのでうれしく思う。農業を取り巻く環境は厳しい。党農林部会長として地域の農業の声も聞いてきたので、今まで培った力を存分に発揮してもらいたい」と活躍を期待した。