ごみ拾い活動参加25年余 90代平林さん夫妻

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組合の美化活動に長年参加する平林六郎さんと洋子さん

諏訪市豊田有賀のたばこ販売業、平林六郎さん(94)と妻の洋子さん(92)は、同市たばこ小売人組合が毎月行うごみ拾いの奉仕活動に25年以上にわたって欠かさず参加し、環境美化への貢献を続けている。

六郎さんは元公務員で、伊那税務署長を最後に定年退職し、税理士をしながら家業のたばこ販売を継いだ。大正時代、祖父の代からの店で、近年はコンビニエンスストアの台頭、健康志向の広がりで来店者は減りつつあるものの、地元の常連客に支えられながら洋子さんと二人三脚で商いを続けている。

事業の傍ら、六郎さんは南信たばこ販売協同組合や市の小売人組合の役員を、洋子さんは同組合婦人部の役員をそれぞれ30余年務めて業界の振興にも尽力。喫煙マナーの向上を願って行うごみ拾いも二人にとって大切な活動の一つという。「地域のために」という思いとともに、「みんなの元気そうな顔を見てホッとする。おしゃべりするのも楽しみなの」と洋子さんは言い、六郎さんは「業界やそれぞれの店の情報が聞けるいい機会」と”商人かたぎ”をのぞかせる。

諏訪地方のたばこ販売店はかつて470軒が組合に加盟したが、現在はわずか30軒ほど。六郎さんは「終戦後の1950年代ごろまでは刻んだ葉を量り売りしていたから忙しい仕事だった」と振り返り、禁煙の機運を経て「それでもこのごろは喫煙への風当たりが一時期より和らいだ。たばこ商品の種類も多くなったし」と衰勢を見守る。

「いつも来てくれる地域のお客さんの要望に応えなくちゃ」と夫婦でうなずき合い、ごみ拾いで地域と愛煙家の和を取り持ち続けている。

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