2023年9月15日付

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先日開かれた県の「信州次世代空モビリティ活用推進協議会」設立総会で国の政策が説明された中で印象に残ったのが、「さらにドローンの有用性を高めていくためには、操縦者1名が複数のドローンを操縦する『一対多運航』の実現が必要」との認識だった▼最近、県のさまざまな会議を取材していると、どこでも「担い手不足」「人手不足」の言葉を聞くような気がするし、この言葉を記事に書かない日はないのではないかと思えてくる▼鳥獣害対策、ヘリの操縦士や整備士、金融、農業、消防団、医師、上下水道事業、タクシー、防災、トラック―今年に入って自分が担当した取材の記事を拾い上げただけでもこれだけある。ありとあらゆる分野で、これまで通りの仕事や活動を続けようとすれば疲弊するばかりで、いつかは破綻する▼生産年齢人口が縮小の一方である現状が変えられないなら、人材という限られたパイの奪い合いは避けられず、人口が増加に転じる未来もなかなか想像しにくい。そうなれば、一人の人間が職場や地域でさまざまな役割を兼ねてゆかざるを得なくなる。兼業や副業も今以上に進んでいくことが想像される▼ドローンの「一対多運航」も、コストダウンや効率化によって人手不足を補おうということだ。いくら技術が進んでも、一人で何機ものドローンを操作するのはなかなか大変そうだ。問題の深刻さを改めて実感した。

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