2016年12月18日付

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「子どもは社会を映す鏡」と言われる。だとすれば、そんな社会を構成する一員として悲しく、忸怩たる思いに駆られる。東京電力福島第1原発事故で福島県から避難した児童生徒へのいじめである▼横浜市の小学校では2011年8月の転校直後からいじめが始まったという。「ばいきんあつかい」をされたり、「ばいしょう金あるだろ」と言われ、遊ぶ金など約150万円を払わされていたとされる▼弱っている者に追い打ちをかけるような行為。いじめた子どもたちのすさんだ心に衝撃を受ける。学校や教育委員会の対応のまずさがクローズアップされているが、原発事故への無理解や人権意識の欠如がうかがわれる。賠償金に言及していることから、周囲の大人の言動を反映しているのではないかという見方もでき、もっぱら子どもに責任を求めるのはまさに「教育の放棄」だろう▼もっとも、問題は子どもばかりではなかったようだ。新潟市の小学校では担任教諭が福島県から避難した児童に「菌」を付けて呼んでいたことも発覚した。児童はいじめを相談していたというから、裏切られたショックも大きかったことだろう▼同様のいじめはその後も各地で明らかになり、問題の根深さを感じる。原発事故に端を発したことではあるが、さまざまな境遇にある人たちにどう向き合っていくのか。大人を含めて社会の在り様を問われているように思える。

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