健康志向へ付加価値 たまごや工房が新商品

健康効果が期待される機能性原料を使い、新発売したマドレーヌ
鶏卵卸売りと菓子製造販売の名取鶏卵(本社諏訪市、名取剛社長)が経営する「なとりさんちのたまごや工房」は、脂肪燃焼や悪玉コレステロールの低下が期待されるミカン由来の機能性原料を取り入れた焼き菓子の新商品を開発し、「オレンジβマドレーヌ」として今月、本格販売に乗り出した。県信用組合が中小企業支援で開いた知的財産活用のワークショップへの参加でヒントを得て今年2月ごろから商品化に取り組んできた。機能性素材を取り入れて、健康志向に応える新たな価値を付けた。
使用原料はサプリメントなど開発製造のアークレイグループからだサポート研究所が約10年前に開発した「クリプトベータシリーズ」。温州ミカンの果汁をこす工程で排出されるパルプを酵素処理などで加工し、健康改善に有用とされる成分βクリプトキサンチンを高濃度に含んでいるという。同研究所によると焼き菓子への活用は初めてという。
新商品のマドレーヌはこの原料の持ち味にオレンジの皮やリキュールも加えてかんきつの香りを立て、爽やかな味にした。同工房の高木健司製菓長(35)は、「初めて機能性素材を扱う未知の挑戦に意欲をかき立てられた」といい、従来の自社マドレーヌで使ってきた原材料を一から見直して配合を研究。「香りやしっとり感などのバランスに苦慮したが期待以上においしくできた」と胸を張る逸品になった。
機能性原料はマドレーヌのほか、既製のシュークリームの改良でも取り入れた。粉末にした卵殻が原料のカルシウム素材「カルホープ」を取り入れて、従来以上にサクサクとした食感を出したという。
高木製菓長は「おいしくて健康にもよい菓子を目指す。新しい味を楽しんでもらえたら」と話している。販売価格はマドレーヌ、シュークリームとも税込み280円。問い合わせは同店(電話0266・53・1231)へ。