環境や地域考える 伊那北高理数科1年

KDDI社員を講師に事業プランを考える伊那北高理数科の1年生
SDGs(持続可能な開発目標)の学びに力を入れる伊那北高校(伊那市)で15日、理数科の1年生40人が環境や地域づくりを考える授業をした。県教育委員会と通信大手KDDIなどの連携協定によるプロジェクトの一環。南極観測隊に参加した同社社員を講師にワークショップ(WS)などをして、南極の環境やSDGsの視点で地域に役立つ事業プランを考えた。
講師はKDDI地域共創推進部企画グループの阿部公樹さん(52)。2020年に通信設備のメンテナンス業務で観測隊に参加した。この日は「南極から地域の将来について考える」をテーマに授業を行い、南極の氷が解けていることや現地での再生可能エネルギー利用促進など環境保全の取り組みを伝えた。
さらに持続可能な地域づくりの観点で事業プランを考えようとWSを実施。生徒がグループごと意見を出し合った。「美しい自然を生かしきれていない」と考えた班は、森林を観光資源として活用し、子どもから大人まで楽しむことができる大規模なアスレチックの整備を提案。星空の天然プラネタリウムなど構想を膨らませていた。
このグループの生徒(15)は「エコツーリズムの観点から伊那谷の自然を生かしたいと考えた」とし、南極については「氷がどんどん解けていると知り、地球環境が危機的な状況にあることが分かった」と話していた。
連携協定による取り組みは学校単独では実現が難しい学習活動などを同社のノウハウを活用して実施。今年度は同校や松本深志高などで連携授業を行っている。