2023年9月16日付

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日本料理店の和室。長く1列につないだテーブルの両側に椅子が並んでいる。その宴会には北信越4県から約35人が出席した。参加者の半数は20代から30代前半、残りは40代から50代。初めて顔を合わせる人も多く、酒席は終始和やかに進んだ▼開始30分が過ぎたころ、年齢の高い人たちは酒瓶を持って自席を離れ、他の出席者に酌をして回る。その後、複数人が会場の端に寄り、立ったまま飲みながら会話を楽しみ始め、その集団は次第に大きくなった。一方、20~30代の人たちは席に座ったまま隣席の人と会話し、席を離れて動く気配はない。個々で会話し、それぞれ楽しそうだ▼会場にあった世代間の壁は、若い時、先輩の姿を見て「より多くの人と親睦を深める」という宴会の目的を知った自分には考えさせられるシーンだった。振り返れば、先輩の自慢話に付き合うのはうんざりするし、お説教も嫌だ。今の若い皆さんは、そのあたりを明確に意思表示しているのだろう▼席が隣だった新潟の営業マン(44)は、営業成績を上げようと顧客の好みを調べ、接待の席では少しでも気に入ってもらえるようにカラオケで古い昭和歌謡を歌うという。「でも若い後輩は『よくやりますね』と冷めた感じ。人の心に刺さる努力をしない」と嘆いた▼仕事にはその人独自のやり方がある。職場では新感覚で先輩を上回る実績を上げる若い方の手法を拝見したい。

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