クラフトキャラバン 辰野と岡谷で11月開催

クラフトキャラバン販売場所となる空き店舗を見学するクリエーターたち=辰野町内
日本最大級のハンドメードマーケットプレイス「Creema(クリーマ)」(東京都)は、全国のクラフト作家らが集まり手作り作品を直接販売する「第12回クリーマクラフトキャラバン」を11月18、19の両日、辰野町と岡谷市で同時開催する。商店街の空き店舗や空き家を活用するキャラバンは初で、クラフト作家の作品を”リアルな場”で購入できる機会を提供し、街のにぎわいや地域の関係人口創出の一助とする考え。17日には辰野町内で参加クリエーターを対象に事前の現地説明会が行われた。
■日本最大級マーケットプレイス
クリーマは、インターネット上で売り手(クリエーター)と買い手とを結び付けるハンドメードマーケットプレイスを運営。現在、25万人のクリエーターが登録し、1600万点以上のオリジナル手作り作品を扱っている。
2017年からは、各地で暮らす消費者がクリエーターの作品を現地で直接手に取って購入できる取り組みとしてクラフトキャラバンを全国各地で開催。これまでに福岡県の糸島、愛媛県の大洲、広島県の尾道、福井県の鯖江などで開いてきた。
■課題解決の一助 関係人口を創出
両市町での開催は、県主催の「おためし立地チャレンジナガノ」で同社が辰野町とつながりを持ったことがきっかけ。人口減少や空き家・空き店舗など町の課題を知り、隣接する岡谷市も同様の問題を抱えることから、解決の一助となればと開催を決めたという。
辰野会場は「○と編集社」(同町)と町が協力し、下辰野商店街の5カ所の空き店舗で開催。岡谷会場は岡谷商工会議所が協力し、中央通りの4カ所の空き店舗で開催する計画だ。
■作家100組が集結 WSなども計画
参加するクラフト作家は地元を含め両会場合わせて約100組を予定。アクセサリーや革細工、木工製品、ガラス細工、食品類などの手作り品を販売。事前に開催地の食材の提供を受けて作る菓子類も当日販売予定で、ワークショップも計画しているという。
辰野町で行われた現地説明会には関東甲信地方を中心にクラフト作家ら15組が参加。現在空き店舗となっている元呉服屋や元げた屋など販売場所の店舗の間取りや状況を確認した。
家族と一緒に訪れた仙石龍平さん=川崎市=は「移住場所の検討も含め初めてキャラバンに参加する」という。これまで多くのキャラバンに参加してきた森田純子さん=東京都=は「空き店舗を活用するこれまでにない素晴らしい企画。こうした活動が全国に波及することを期待したい」と話していた。
ネットとリアルの場の両軸で事業展開するクリーマ。クラフトキャラバンを担当する重岡空さんは「街を丸ごと楽しめる企画を盛り込んだイベントにする」とし、「単に収益性を考えるだけでなく地域貢献の一環でもあり、地域の盛り上げや移住定住促進につながれば」と話している。
18日には岡谷市内で事前の現地説明会を開く。