2023年9月19日付
きのうは敬老の日。コロナ禍を経て、久しぶりに敬老会が開かれた地区も多いことだろう。敬老の日と言えば「お年寄りを敬う日」「長寿を祝う日」と理解しているが、昨今の高齢者はとにかく元気▼先般、今年12月に100歳を迎える男性を取材する機会があった。生まれたのは関東大震災が起きた年。明るく快活で、何より背筋がピンと伸びて姿勢がいい。子どもの頃からスケートに取り組み、70代まで氷に乗っていたという。滑るポーズも披露してくれた。長寿の秘訣は「とにかく趣味を持つこと」。生き生きとした顔で「やはりスポーツは大事」と話していた。運動不足に不摂生、無趣味のわが身に刺激をいただいた▼総務省が発表した推計人口によると、日本の65歳以上の高齢者は3623万人で、比較可能な1950年以降で初めて減少したという。ただ、総人口に占める割合は29・1%と過去最高。少子高齢化と言われて久しいが、数字を見ると改めてその高さに驚く▼長寿社会を迎え、人生100年時代と言われる。さらに健康長寿県と称される長野県。100歳まで生きるのが当たり前になる時代が来るとされる中で、生涯現役を貫き、長い期間を豊かに生きていくための人生設計が重要とされている。私自身も、可能な限り健康で過ごしたい▼その男性は「100歳が出発点。健康寿命をまい進します」と力強い。元気や意欲を見習いたい。