2023年9月20日付

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事業所には保有する車の台数に応じて安全運転管理の中心的な役割を担う安全運転管理者や副安全運転管理者が選任するよう決められている。先日、その人たちを対象にした法定講習に参加した▼配布資料をめくっていて目に留まったのが、全国の交通事故発生状況の推移のグラフだ。1949(昭和24)年以降、各年の発生件数、死者数、負傷者数が70年以上にわたりグラフ化されており見やすい。「死者数が1万人以下に」など特徴的な事柄があった年にはメモ書きが添えられ、大きな曲線を描くグラフを読み取りやすくしている▼グラフをよく見ると、事故状況の推移は、安全運転管理者制度の変遷にも関わっていることに気付く。交通事故死者が1万6765人と史上最悪だった1970年の翌年、安全運転管理者講習が法定化された▼そして2021年、千葉県八街市で発生した飲酒運転のトラックが通学路に突っ込み、小学生2人が亡くなった痛ましい事故。これを受けて運転前後の酒気帯びの有無の確認が義務化された▼21日から秋の全国交通安全運動が始まる。運動の重点の一つに「夕暮れ時と夜間の交通事故防止および飲酒運転等の根絶」がある。運転者は、早めの歩行者発見のために上向きライト(ハイビーム)の活用が大切という。これも法定講習で再確認させられた点だ。この運動を機に、改めて事故防止について基本を確認したい。

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