「花いちもんめ」上演へ稽古 劇団風の庵から

第7回公演に向けて稽古に励む劇団「風の庵から」のメンバー
上伊那地方を中心とした演劇愛好者でつくる劇団「風の庵から」(北原永代表)は30日と10月1日の両日、第7回公演を伊那市西春近のまつり工房で開く。劇作家宮本研の名作一人芝居戯曲「花いちもんめ」を上演。本番に向け稽古にも熱が入っている。
同劇団は1998年の第1回公演以来、不定期で公演を重ねている。「花いちもんめ」は主演の伊東初絵さん(52)=伊那市=が2020年、「箕輪町文化センター付属劇団歩」の舞台で演じた一人芝居。メンバーから再演を望む声もあり、「風の庵から」では16年以来となる公演で再演することにした。
同作品は日本の敗戦後、引き揚げの渦中で旧満州(中国東北部)に幼い子どもを残してきた母の心を描いた物語。子どもを思い、悔恨の念にかられる母親の告白を通じて、拭いきれない日本の悲しい歴史を伝えている。
上演時間は1時間ほど。今回は特定の演出家を置かず、メンバーで話し合いながら舞台を創り上げている。北原代表は「実際に旧満州であった話であり、問題意識を持っておく必要はある。演劇として表現することで伝わることも多いはず」と期待。伊東さんは「何万という悲劇の中で一人の苦しみにフォーカスする。普段の暮らしには笑顔や怒りもあったはず。感情をリアルに表現できればいい」と話している。
30日は午後3時と同7時、10月1日は午前11時と午後3時の計4回上演する。入場料は一般1500円、高校生以下800円。全席自由。チケットの購入と問い合わせはまつり工房(電話0265・78・6662)へ。