2016年12月19日付

LINEで送る
Pocket

高い雪ですからねぇ…。一面真っ白になったゲレンデを前に、そんな説明を受けた。周辺の森には雪の気配はないが、きれいに、必要な場所にだけ積もらせているからすごい。これも職人芸なのかもしれない▼上伊那地方でもスキー場がオープンした。冬らしい寒さが数日続き、人工降雪機をフル稼働させることができたという。暖冬による雪不足でオープンが大幅に遅れた昨季とは違い、今季は予定通り滑走可能となり、関係者もほっとしていることだろう▼中央アルプスの麓にあるスキー場は、市街地からもよく見える。山腹に白い「のぼり旗」が出現すれば冬もいよいよ本番。ナイター照明がともされ、暗闇に宇宙船のようにゲレンデが浮かび上がれば、厳寒期が近いことを予感させる。人工雪のスキー場だが、伊那谷に整備されておよそ30年。今では、季節の巡りを教えてくれるほどだ▼年配のスタッフが「昔は駐車場に入りきれない車が道路に長い列をつくっていた。諦めて別のスキー場に向かうスキーヤーもいた」と懐かしそうに話していた。冬のレジャーといえばスキーだった頃のことだろう。降雪機をフル運転して造る「高い雪」でも十分採算に合う時代だったと思う▼「歴史は繰り返すというけれど、そんな時代がまた来ればいいのだが…」。前出のスタッフはこう続けた。昔ゲレンデを埋めた年代層の人たちは今、何をしているのだろうか。

おすすめ情報

PAGE TOP