秋の夜 石仏照らす経木の灯籠 高遠の建福寺

石仏がライトアップされ、参道に灯籠も並ぶ伊那市高遠町の建福寺
伊那市高遠町の建福寺に残る高遠藩ゆかりの職人「高遠石工」の石仏ライトアップ(市観光協会主催)が22日夜、始まった。地元の高遠小学校の児童らが、木を紙のように薄く削った包装材の経木を用いて作った灯籠約130基も昨年に続いて参道に飾られ、風情ある秋の夜を演出する。23日まで。
同寺には名工・守屋貞治の「西国三十三所観世音菩薩」などがあり、石仏の寺として知られる。ライトアップは石工を観光資源としてPRしようと、春と秋の年2回実施。昨年秋は11月に行ったが、より多くの人に足を運んでもらおうと、今回は同町で23日に開かれる「燈籠祭」に合わせた。
この日は午後6時から、灯籠を作った子どもたちらを招いて点灯式があり、ろうそくの炎のように見える発光ダイオード(LED)ライトを点灯。7月に2回開いたワークショップなどで高遠小5、6年生や一般参加者らが石仏の絵を描き完成させた灯籠が暗がりに浮かび上がった。
訪れた同小5年の児童らは「伝統あるお寺に作品が飾られてうれしい。石仏も照らされてきれい。昔の人の技術はすごいなぁ」と話していた。
23日の点灯は午後5時から。灯籠は午後8時、石仏ライトアップは午後9時まで。