2023年9月24日付
投票行動はマスク着用の判断に似ている―との説に触れた。周囲の行動に影響される同調圧力のようなもので、昭和の頃は「選挙は行くもの」との認識が社会で共有されていた。ただ近年は若年層で投票しない方が多数派になるなど、圧力が投票率低下に作用しているとの考えだ▼ではどうすれば投票率は上がるのか。SNSの活用や、模擬選挙など中高生への主権者教育、駅や商業施設への投票所開設、車を使った移動投票所―。官民の関係者が知恵を絞り、さまざまな試みを講じているが、苦戦が続いている▼若者の投票率が低いのは、原則として住民票のある地区でしか投票できない点もあるだろう。県外に出ている大学生などは投票が難しい。インターネット投票が可能になれば、改善が望めるかもしれない▼もう一つ、耳にするのは社会との接点の少なさによる関心の低さ。地球温暖化や少子高齢化など、近年社会や地域が抱える問題に、若者はこの先も向き合い続けなければならない。大人には、社会参加を促すことで課題を共有し、未来を選択する大切さを伝える役割も求められるのでは▼幼い頃から投票所の雰囲気に慣れ、選挙を日常の行為と認識しておくことも効果的とか。きょうは岡谷市の市長選と市議選再選の投票日。子どもや孫と投票所に足を運んでみては。子どもたちの将来に向けて「選挙は行くもの」との機運を少しでも高めたい。