復活、三国一煙火 大宮五十鈴神社に奉納

高いやぐらの上から降り注ぐ火の粉を浴びながら勇ましく競う氏子たち=駒ケ根市の大宮五十鈴神社
駒ケ根市の大宮五十鈴神社で23日、例大祭の宵祭りがあり、夜には大三国などの花火が夜空を焦がした。コロナ禍により4年ぶりの再開となる煙火の奉納。高いやぐらの上から勢いよく噴き出す火の粉と豪快な噴射音に、詰め掛けた観客からは歓声が沸き起こり、境内は熱気に包まれた。
煙火は市内神社の合祀記念で1908(明治41)年頃に始まったとされ、市の無形民俗文化財に指定されている。祭りは三つの耕地が交代で年番を務め、今年は北割一、北割二区の「北割耕地」が担当した。地元では祭典委員会を組織し、氏子約320人が昨年から準備した。
呼び物の「三国一煙火」を示す「初三国」や「大三国」は9月に伐採したアカマツの内部をくり抜き、中へ火薬を詰めてこしらえた。大三国は当日、地区内を巡行した後、神社でお払いを受け、ロープでやぐらへ引き上げて固定。仕掛け花火に続いて点火し、鮮やかな火花を噴射した。
松崎栄司祭典委員長(66)=北割二区=は「コロナ禍で奉納を休止していた間に北割へ移り住んでいただいた皆さんも含め、氏子が一丸となって宵祭りを復活できたことは間違いなく地域の結束につながった。この活力を地域発展につなげたい」と話した。