蓼科高原映画祭開幕 小津監督生誕120年祝う

初日は県内外から約80人の映画ファンが集まった蓼科高原映画祭
日本映画界の巨匠、小津安二郎監督が晩年の仕事場にした茅野市で開く「第26回小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」(同実行委員会主催)が23日、同市仲町の茅野新星劇場で開幕した。10月1日までの9日間に映画上映や短編映画コンクール、ゲストの映画監督らによるトークなどを繰り広げ、小津監督生誕120年の節目を祝う。
今年は小津監督作品7本を含む、29作品を計34回上映。メインの30日、10月1日はゲストの映画監督らが登場し、短編コンクの表彰式や茅野市民館で俳優の中井貴惠さんによる小津監督作品「秋刀魚の味」の音語りも行う。4年ぶりに感染症対策の入場制限などは設けず、同実行委ボランティアが豚汁やコーヒーなどの飲食物を振る舞う「おもてなし隊」も再開する。
オープニングセレモニーには県内外から約80人の映画ファンらが集まり、組織委員長の今井敦市長と実行委員長の山本活夫・ちの観光まちづくり推進機構理事長があいさつした。この日は小津監督作品の「小早川家の秋」をフィルムで上映し、アニメ作品の「すずめの戸締まり」とインド映画の「響け!情熱のムリダンガム」も流した。
小津監督のファンで映画祭には、ほぼ毎回訪れているという柳澤和子さん(69)=同市横内=は「ここで小津さんの映画を見ないと1年が終わらない気がするのでとても楽しみ」と話していた。
チケットは新星劇場や茅野市民館、市観光課などで取り扱っている。問い合わせは同実行委事務局(電話0266・72・2101)へ。