原村の魅力感じて 移住者らが稲刈り体験

参加者と一緒に初の稲刈りを体験する鈴木さん(右から2人目)
農業と観光を結び付けた地域の魅力の発掘を目指す原村地域おこし協力隊の鈴木若菜さん(30)が企画した「稲刈りイベント」が24日、同村の阿久遺跡近くの「阿久リトリートファーム」であった。村内で自然農法による農家を支援する仕組み「シェア農家」を展開する団体FARMY(ファーミー)と共催。移住者や県外在住者など6家族とスタッフの計20人余りが参加。八ケ岳を見渡す秋晴れの高原で収穫作業を体験した。
同ファームは、2015年に同村に移住した岩田伊知郎さん(68)、美香さん(59)夫妻が所有。野菜作りは5年目、米は2年目で、シェア農家の協力を得て取り組む。
田んぼの広さは2反弱。参加者は稲刈りと、稲を麻ひもで束ねてはぜに掛ける仕事を交代で体験。子どもも含め初体験の人が多かったが、岩田さんやスタッフの説明を受け、快調に鎌を動かしていた。
束ねるときに全体をくるっと回す方法や、はぜに掛けるときの向きなども教わり、あっという間に上達。名古屋市から参加した柳ゆかりさん(51)は「この辺には年に何回か来るが、自然豊かで気持ちがいい。汗もかいたが、生まれて初めて稲穂に触れて感動した」と満足そうだった。
鈴木さんも初めてだが、協力して和気あいあいと取り組んでいた。「貴重な体験。原村の魅力を感じてもらえたらうれしい。農業を主軸とした滞在型観光の可能性を探っていきたい」と話していた。