コロナでNコン断念 清陵高音楽部が発表会

3年生の引退を控え、心を一つにする諏訪清陵高校音楽部
諏訪清陵高校(諏訪市)音楽部は10月1日午後1時30分から、3年生の引退発表会を同校中学棟で開く。部内で新型コロナウイルスの感染が拡大し、「NHK全国学校音楽コンクール」関東甲信越ブロック高校の部(9月10日、さいたま市)をやむなく出場辞退したため、披露の場として企画した。1~3年生の部員26人は果たせなかった思いを胸に、「悔いのないよう精いっぱい歌いたい」と意欲を見せている。
大会直前、部員数人の新型コロナ感染が判明したことから、出場を断念した。ステージに立つこともできないまま予想外の終止符を打たれ、「ここまできて、まさか」と生徒は泣き崩れたという。
同校が県代表の座をつかんだのは、少なくとも記録が残る1992年以降初めて。部員は先輩たちの思いを引き継ぐ”念願のステージ”として、夏休みも歌に磨きをかけていた。受験を控え、本来引退するはずの3年生まで部活動を続け、強い覚悟で励んできた。
演奏曲は、同コンクールで披露するはずだった課題曲「鳥よ空へ」と、自由曲「帰郷~混声合唱とピアノのための」。歌詞を読み解いて表現し、混声四部合唱の豊かなハーモニーを届ける。
部長の小林美月さんは「出場を諦め、やりきれない気持ちだった」と行き場のない悔しさをにじませながらも、「練習の成果を披露し、笑顔で区切りをつけたい」と前を向いた。
顧問の白木貴仁教諭(46)は「あの時はあまりにも酷で、生徒にかける言葉が見つからなかった。最後のステージは、全てやりきったという気持ちで終えてほしい」と願っていた。
発表会は約30分。問い合わせは同校(電話0266・52・0201)へ。