特殊詐欺を寸劇で 公演依頼昨年度の3倍

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特殊詐欺の巧妙な手口を寸劇で紹介

特殊詐欺の巧妙な手口を寸劇で紹介

高齢者の特殊詐欺被害に気をつけて―。岡谷署の若手署員を中心につくる啓発劇団「野うさぎ」の公演が人気を集めている。岡谷市が6月末に発令した「特殊詐欺非常事態宣言」を受け、市民からの依頼が増加し、公演回数は昨年度の3倍近くとなった。危機意識の広まりとともに、同署は「寸劇が浸透してきているのでは」としている。

今年度の公演回数は22回。管内で被害が多発した6月、市内各区の地区社会福祉協議会と連携し、高齢者への配食サービスに啓発チラシを折り込んだ。合わせて気構えずに手口を学ぶ方法として寸劇を紹介したところ、「面白くてためになる」と評判を呼び、敬老会や社協の昼食会への依頼が増えたという。

シナリオは、市内で発生した事件を題材にした「電車カバン」。孫をかたる男から「電車の中に会社の小切手を入れたかばんを置き忘れた」と電話が掛かってくる粗筋だ。複数の犯人が登場する劇場型で、お年寄りを焦らせて誰にも相談できない状況をつくる手口を紹介。観衆に「これなら自分もだまされてしまう」と認識させるのが狙いという。

今月5日には、市内の小井川区平成会館であった小井川消費者の会によるクリスマス会で、40~80歳代の会員を対象に公演。団員5人が出演し、オレオレ詐欺の巧妙な手口についてユーモアたっぷりに演じた。来場した高橋まつさん(78)=岡谷市赤羽=は「チラシとはまた違って、面白い上に分かりやすかった。自分の身にも起こりうると改めて感じた」と話していた。

管内で今年発生した特殊詐欺は今月15日現在で8件、被害総額は約4100万円余。このうち還付金が4件で、寸劇で紹介しているオレオレ詐欺は1件となっている。「特殊詐欺非常事態宣言」発令以降、被害は発生していない。

団長の大木朝子さんは「一定の効果が出ているのでは」と手応えを話す。「他人事ではないと危機感を持ち続けてもらうためにも繰り返して公演し、多様化する手口や発生状況を地域で共有していきたい」としている。来年度に向けて、市内で多くみられた還付金詐欺を題材に、新たな台本を製作中だという。

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