駒ケ根市長選 現職伊藤氏が出馬表明

市議会9月定例会で駒ケ根市長選出馬を表明する伊藤祐三氏
任期満了に伴う来年1月14日告示、21日投開票の駒ケ根市長選で、現職で1期目の伊藤祐三氏(63)=無所属、福岡=は26日の市議会9月定例会本会議で、「市を後戻りさせることなく、さらに前へ進めていくため、立候補する決意を固めた」と2期目を目指して出馬する意向を正式に表明した。
伊藤氏は、1期目を振り返り、市長就任直後から新型コロナウイルス感染症への対応に当たるとともに、市民と約束した財政再建に取り組み、コロナ禍に伴う生活様式や価値観の変容を踏まえた第5次総合計画を前倒しで策定したことで「市政を支える二つの柱ができた」と述べた。
また、デジタル化の推進や少子化対策といった「コロナ禍で浮き彫りとなった課題」にも各プロジェクトチームを立ち上げて取り組んだとし、デジタル化の今後5年間の推進計画をまとめた「こまがねDX戦略」の策定や、市内の出生数がここ3年間、200人前後で下げ止まっている状況を成果として強調した。
性的少数者(LGBT)や事実婚のカップルを夫婦同様の関係として公的に認める「パートナーシップ宣誓制度」の導入など、「多様な価値観に寄り添った取り組みも進めてきた」とし、「安心して暮らせるための福祉制度の充実など、広場のようなまちを目指し、さまざまな施策をさらに進めなければならない」と意欲。詳細な政策は「10月末か11月の頭」に発表する見通しを示した。
伊藤氏は伊那市出身。小学校から高校までを駒ケ根市で過ごした。伊那北高校(伊那市)、中央大学法学部を経て毎日新聞社に入社。共同通信社に移り経済畑を中心に取材活動を行った。元共同通信論説委員。2020年前回選で新人同士の一騎打ちを制し、初当選した。
市長選を巡っては、新人で市議の松﨑剛也氏(48)=無所属、下平=が立候補を表明している。