蓼科高原映画祭 目の見えない白鳥さん~上映

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映画上映後に手話通訳者とステージに上がり、撮影秘話などを語った三好監督(左から2人目)と川内監督(右から2人目)

茅野市で開催中の第26回小津安二郎記念・蓼科高原映画祭(23日~10月1日)で26日夜、映画「目の見えない白鳥さん、アートを見にいく」(2022年)が上映された。同市仲町の新星劇場に約60人が来場し、視覚障がい者向けのスマートフォンアプリに対応したバリアフリー上映を実施。上映後は同作品の三好大輔監督と川内有緒監督が撮影秘話などを話した。

同作品は川内監督が執筆したノンフィクション書籍「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」(21年)を原案にしたドキュメンタリー作品。20年以上にわたって年数十回は美術館に通う全盲の芸術鑑賞者、白鳥健二さんの友人との作品鑑賞と日々の生活の様子を撮影している。

白鳥さんは川内監督ら友人と美術館を訪れ、絵画や造形物の前で画題、色、印象などの説明を聞いて作品を楽しむ。映画では白杖を突いて写真撮影しながら行う散歩や福島県の美術館で約3カ月間滞在して制作した展示会に密着。芸術鑑賞を始めたきっかけと楽しさのほか、過去の経験や人生観、障がいへの考え方などについてもインタビューで語っている。

舞台トークで川内監督は白鳥さんの魅力を「簡単には人に流されない、嫌なものは嫌、好きなものは好きと言える強さがある」と紹介。来場者から自然な映像を撮影できた方法を尋ねられた三好監督は「友達のような距離感で一緒に同じ時間を過ごす仲間として居たのが良かったのかも」と振り返った。

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