走れエコキャップカー 伊那で初の学習会

モデルカーの試走に臨む子どもたち
回収したペットボトルのキャップ(エコキャップ)を加工したモデルカーを使って遊びながら環境問題を学ぶ「日産わくわくエコスクール」が1日、伊那市富県の上伊那クリーンセンターであった。日産自動車(本社・横浜市)や伊那市、市内企業ら6者による官民連携事業の一環で、モデルカー完成後初の学習会となった。参加した子どもたちは手回し式充電器で発電した車が走り出す様子に興味津々で、環境に配慮したエネルギー活用の一端に触れた。
同事業は「NISSANエコキャップ アップサイクルプロジェクトin伊那」として5月から正式始動。同日開催された伊那市環境展に合わせて一般に披露した。
モデルカーは廃プラスチックから新製品をつくる「アップサイクリング・ワークスぺース」という取り組みに基づいて製作。実物の電気自動車(日産アリア)の37分の1ほどの大きさで、重さは76グラム。キットの構成成分の約90%がエコキャップ由来だ。

手回し式充電器を回してモデルカーに発電
充電器を100~150回回すと、1周約7メートルのコースを3周する電力を賄うことができる。子どもたちは熱心に充電器を回して発電。早速コースで試走させ、その勢いに驚いていた。
伊那中学校1年の生徒(12)は「本当に走れる車を作ることができてすごい。電気だけなのにスピードが速かった」と目を輝かせ、「なるべくごみを分別して、エコキャップ回収に協力したい」と学びを深めていた。
設計や成形を担ったスワニー(伊那市)の橋爪良博社長は「ごみを捨てる責任を次世代が意識し、価値の高いものに変えてほしい」と期待。学習会は市内小学校でも開く予定で、日産自動車日本事業広報渉外部の遠藤和志部長は「キャップを集めてくれた子どもたちに学びという形で還元したい」と話した。