環境に優しい「バイオ炭」でタマネギ 箕輪町

バイオ炭を活用し栽培されたタマネギが販売されたファームテラスみのわ
箕輪町大出の農産物販売所「ファームテラスみのわ」で2日、二酸化炭素排出量削減や土壌改良の効果に期待がかかる「バイオ炭」を活用し栽培されたタマネギがお目見えした。エコバッグを付けて数量限定で販売し、バイオ炭に関するチラシを店頭に置いて商品をPR。「環境に優しい農業」の理念に共感した来店者らが、続々と買い求めた。
出品したのは、町内の二つの農業者グループで、「富玉会」(富田)と「福与の農地を守る会」(福与)。バイオ炭はもみ殻など生物由来資源(バイオマス)を材料に作られていて、JA長野中央会などが消費促進を目指している。趣旨に賛同した両グループは、農業面から二酸化炭素排出量削減に貢献したいと昨年度にバイオ炭を導入。昨年秋に苗を植え、今年6月ごろに初の収穫にこぎ着けた。
両グループとも、収量は例年並みだった。始動したばかりとあって、土壌改良効果については今後に期待する。いずれも主に学校給食用に農作物を栽培していて、農地を守る会の中村克寛会長(63)は「ほかの品種での活用も検討していきたい」。富玉会は今季、ほ場の広さを従来の1・5倍以上へと拡大し、バイオ炭を散布する考え。向山勝一会長(72)は「子どもたちに環境や農業に関心を持ってもらえるように、活用を続けたい」と意欲を見せる。
町によると、両グループでバイオ炭280キロを使用し、計算上では二酸化炭素約700キロを土中に閉じ込めることができたという。脱炭素社会の実現を目指して、「環境に優しい農業の取り組みを進めていきたい」としている。