菓子「女神の湯玉」開発 下諏訪商議所女性会

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「女神の湯玉」を開発した下諏訪商工会議所女性会の関係者ら

下諏訪商工会議所女性会は3日、下諏訪町産のマルメロを使った菓子「女神の湯玉」を開発したと発表した。下諏訪温泉の発祥を伝える「綿の湯」縁起を広く知ってほしいと、ふわふわとした綿(湯玉)をイメージさせるフランスの菓子「ギモーヴ」を採用し、マルメロペーストを練り込んで香り豊かに仕上げた。14日に町内で開く「しもすわ産業まつり」で約200箱(6個入り)を販売する。

同商議所事務局によると、現在では栽培されることが少なくなった下諏訪産のマルメロを残したいと、地元の飲食店がジャム の開発を企画したがコロナ禍で廃盤となり、マルメロペーストの活用を模索していた。そこに、三井章義さん(91)=同町立町=が、かつて商標登録した「女神の湯玉」の名前で菓子を作ってくれる業者を探している情報が入り、同女性会が両者の思いをつなぐ形で菓子作りに取り組むことになった。

女性会の地域活性化事業の一環で、昨年12月に商品化に着手。菓子の開発はフレール洋菓子店(同町)に依頼した。開発した同店専務の宮坂恵一さん(48)は「焼いてしまうと香りが飛んでしまうが、ギモーヴにすることでマルメロ本来の香りが出ている」とこだわりを話した。

下諏訪温泉の湯玉伝説をイメージした菓子「女神の湯玉」

湯玉伝説は中山道と甲州街道の合流点にある綿の湯源湯の言い伝えで、下諏訪温泉の始まりを伝える。諏訪大社の祭神・建御名方神と、その妃神、八坂刀売神がけんかし、妃神が諏訪湖を挟んだ対岸の下諏訪に移り住む際、化粧に使っているお湯を湯玉にし、綿に包んで持っていき、秋宮の辺りで綿(湯玉)を置いたところ湯が湧き出した-という縁起。

三井さんは伝説の地にかつてあった公衆浴場「綿の湯」の廃業を惜しみ、30年余り前に伝説を後世に伝えたい-と個人で商標登録をした。「綿の湯は下諏訪の発展の原点。この名称を使い、下諏訪が発展してくれたらうれしい。今後もいろんな商品が生まれてほしい」と願った。

パッケージは立方体とし、4側面に湯玉伝説のストーリーとイラストをデザイン。1箱850円(税込み)。同女性会の長﨑万史会長は「商品を通じて下諏訪の綿の湯の縁起を知ってもらい、誘客にもつなげたい」と話した。

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