阿久遺跡の魅力知って サイト開設やセミナー

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阿久遺跡の特設サイトとチラシを手にする大昔調査会の高見俊樹理事長(左)と三上徹也副理事長

諏訪地域の考古学研究者や郷土史家らでつくる一般社団法人大昔調査会は、原村にある国史跡「阿久遺跡」の魅力を伝える特設サイトを開設した。7日から始まる連続セミナー「阿久のひみつ」の参加者も募っている。ナビゲーターを務める三上徹也副理事長(67)は「阿久遺跡の発見は縄文時代前期の常識を覆す大発見だった。地域の誇りである阿久遺跡を1人でも多くの人に知っていただきたい」と話している。

同遺跡は縄文時代前期(約7000~6000年前)のムラで、集落のほか、環状集石群や円形石組を持つ立石などからなる。環状集石群は長径120メートル、短径90メートル、幅30メートルのドーナツ状で、十数個の石のまとまりが10~30万個集まって形成され、多様な集団が阿久に集ったことを示す大祭祀場と考えられている。

1970年代、中央自動車道建設に伴う発掘調査で発見されると、国内最古級の大集落と大祭祀場が「縄文時代観の転換」と注目され、全国規模の保存運動に発展した。世論は早期開通と遺跡保存に分かれたが、1メートルの盛り土をして中央道を建設し、遺跡を破壊することなく開通した。

特設サイトは県地域発元気づくり支援金を活用して作り、縄文時代前期の暮らしや阿久遺跡の概要、発掘調査と保存の歴史、「阿久遺跡のメッセージ」を解説した。それよると、当時は温暖化で海面上昇や大地震、火山噴火が続き、生活の場を追われた人々を受け入れた可能性があり、受容、協働、共栄の象徴として阿久遺跡を紹介している。

連続セミナーは、7日午後1時から八ケ岳美術館で講座「阿久遺跡ってなんだろう?7000年前の縄文人からのメッセージ」を開く。14日は午前10時から阿久遺跡隣の原村埋蔵文化財収蔵庫と小型無人機ドローンを使った遺跡の見学、ガイドウオークも行う。最終回は11月23日に県立博物館(千曲市)を訪ねる。

申し込み、問い合わせは、三上副理事長(携帯090・2204・2818)へ。

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