外国籍住民ら体験型日本語教室 箕輪町

体験型日本語教室で多文化共生サポーターらと談笑する外国籍住民
箕輪町は5日、外国籍住民らに災害への備えや生活ルールなどを日本語とともに学んでもらう「体験型日本語教室」を産業支援センターみのわで開講した。全11回の連続講座で、来年度以降の本格開催を見据えて試験的に実施する。受講登録者はブラジルと米国の2カ国出身の7人(5日時点)。学習支援する多文化共生サポーターらと交流しながら学びを深め、知識と人間関係の両面から地域に溶け込んで暮らしていくための土台づくりを目指していく。
町によると、人口の3%に当たる約700人が外国籍住民で、長年暮らしている人が大半。だが、日本語への不慣れさから、地域で孤立したり、ごみの分別といった生活ルールや文化の違いに思い悩んだりする人も少なくないという。町は、多文化共生社会の実現に向けて、外国籍住民らに生活力を身に付けてもらうための日本語教室を企画。文化庁の日本語学習環境の整備などを狙いにした事業の採択を受け、外国籍住民支援に興味のある人の掘り起こしを図り養成する講座を開くなど、昨年度から準備を進めてきた。
初回の受講者は、働き盛り世代を中心とする6人。日本語教師から、箕輪で暮らしている期間や趣味などの伝え方を教わった。多文化共生サポーターとマンツーマンで自己紹介し合い、趣味などを話題に会話に花を咲かせた。今後の講座で、ごみの分別方法や災害への備えなどについて町職員から教わる予定だ。
1年半ほど前に来日したブラジル出身の波田野エドアルドミノルさん(45)=同町=は「ごみの出し方や病院で症状を伝えるのが難しいので、勉強したい。サポーターの皆さんといろいろ話をするのも、楽しみです」と笑顔。
講座を企画したのは、町役場で外国籍住民の相談業務などを担う多文化共生推進員の入倉眞佐子さん。講座内容や日程などを検証して改善し、来年度以降の通年開催につなげたい考え。「日本語で意思疎通を図って生活し、近隣の人たちに困り事も相談できるような関係性を築いてもらえれば」と期待している。