県内不登校、過去最多
県教育委員会は11日の定例会で、文部科学省が実施した2022年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の県分の調査結果を公表した。学校種別の不登校の児童生徒数は小学校が前年度比529人増の2125人、中学校が同比499人増の3610人、高校が同比162人増の949人といずれも過去最多となった。特に小中学校は10年連続で過去最多を更新した。
調査は、県内の公私立の小中学校と高校(通信制を除く)計665校で実施。小中学校の1000人当たりの不登校児童生徒数も36.9人(同比7.1人増)と過去最多で、全国と同様に増加傾向がみられた。学年別では小学生では6年、中学生では2年が最も多い。
不登校の要因は、小中高ともに「無気力・不安」が40%以上を占め最多。次いで小学校は「親子の関わり方」(14%)、中学校と高校は「いじめを除く友人関係」(12%)となった。加えて、22年度は要因の3番目に各校種ともに「(要因の項目に)該当なし」が浮上。現場の教職員からは「児童生徒の不登校の要因が多様化・複雑化している」との声もあるという。
不登校児童生徒の増加について県教委心の教育支援課は、コロナ禍による生活環境の変化など登校意欲が湧きにくい状況が続いたことなどが一因とし、「制限されたコロナ禍の2年間余りの学校生活が児童生徒に与えた影響が残っている可能性がある」と分析。
実態を踏まえ県教委は、市町村が設置する教育支援センターの機能拡充やフリースクールへの支援拡充、不登校特例校を含めた多様な学びの在り方について検討を進めている。
同調査では、いじめなどについても調べた。暴力行為の発生件数は51件増の1320件で、小中高とも増加した。内容別では、学校活動の再開により接触が増えたことなどを要因に、生徒間暴力や教師に対する暴力が前年度比で増加したとみられる。いじめの認知件数は65件減の9603件と微減した。