黒犬ハチの伝承オペレッタに 豊田小4年1組

名犬ハチの伝承を基にしたオペレッタを練習する豊田小4年1組の児童たち
諏訪市豊田小4年1組の児童24人は総合学習の一環で、村の危機を救った”名犬”として地元に伝わる黒犬ハチを主人公としたオペレッタを制作し、発表に向けて練習に励んでいる。「黒犬の勇気」のタイトルで、ハチの活躍を描く。来年2月に辰野町で開く「第24回オペレッタ・フェスティバルinたつの」で発表する予定だ。
担任の降旗学教諭(51)によると、オペレッタを作るきっかけは同校の卒業生が制作した紙芝居。豊田村誌にも記述がある伝承「忠犬碑、黒犬」に登場する名犬ハチを主人公としており、村に迫る火の手を知らせて火事を未然に防いだり、悪人を追い払ったりと活躍する。
紙芝居を鑑賞した児童たちはハチの活躍に感銘を受け、「この伝承を何とかして残したいね」といった声が上がった。話し合いの結果、歌や芝居など多彩な方法で表現できるオペレッタが選ばれたという。
児童たちは六つのグループに分かれ、豊田村誌などの資料を参考にしながら、物語にふさわしい歌詞と大まかなメロディーを制作。降旗教諭がナレーションや補足の歌詞を付け加えながらシナリオを構築し、音楽の授業を担当する平林明美教諭が譜面に落とし込んだ。
村人役を担当し、練習では同級生にアドバイスを送っていた児童(10)は「昔の村人の生活がうまく想像できなかったので、タブレットで調べたりした」と役作りへの努力を話し、「本番は緊張するかもしれないけど、大きな声でセリフを読みたいな」と意気込んだ。
11月11日に行われる同校の150周年記念式典では、10分ほどに短縮した歌劇を披露する予定という。