2023年10月13日付
独立行政法人の日本政府観光局によると、米国の大手旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」の読者投票ランキング「世界で最も魅力的な国」で日本が1位に選ばれた。読者52万人が「再訪したい場所」を投票して決まった▼理由は公表されていないが、観光局の独自調査によると、観光の目的は食文化の体験や神社仏閣を含めた観光名所の見聞、伝統芸能への興味などが挙がる。アニメ文化や治安の良さ、最近では円安も訪日の要因になった。日本が育んだ独自の文化に世界の人々が関心を持ち、認められることは意義深い▼長旅では政情が不安定で、貧しい国を通ることがあった。現地の人の暮らしぶりを見て、知らず知らずのうちに日本と比較し、良しあしを再認識した。混乱した国々を訪れても「自分が日本人で、最後は日本に帰れる」という目には見えない保証が旅を続ける原動力になった▼最近、出張やプライベートで遠出が重なった。先日は遊園地を訪れる機会もあった。園内では友人や家族、カップル、外国人観光客までもが顔を見合わせて会話を弾ませ、みんな笑顔を浮かべて心から楽しそうだった▼一方、海外を見回せば紛争や自然災害による犠牲者が絶えない。日本の安心安全は世界的に見れば決して「普通」ではない。遊園地にいる人々の表情を見ながら、その平和の尊さをかみしめた。世界で最も魅力的な国の評価を誇りに思う。