伊那北高初の海外研修 費用高騰、支援を

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海外研修の費用の寄付を呼び掛ける伊那北高校の生徒=12日

伊那北高校(伊那市、埋橋浩校長)が初めて計画した海外研修でカンボジアなどへ赴く1、2年生ら有志が、研修費用の支援を呼び掛けている。円安や燃料費高騰による費用高騰に対応するため、150万円を目標に寄付を募る。「金銭的な問題があっても、伊那北から海外へ羽ばたけることを同世代の人にPRしたい」とし、協力を求めている。

これまで同校では海外研修はなかったが、留学などを望む生徒が多いほか、県教育委員会の海外研修なども募集枠が少なく希望がかなわない場合があり、独自の研修を来年1月に企画した。カンボジアはポル・ポト政権下の虐殺などの歴史に加えて貧困などの課題もあり、日本とは状況が違う発展途上国の状況を見て視野を広げようと選んだ。

一方で、費用は1人当たり25万円超と高騰。事業者によると、内容が同じだった4年前と比べ数万円高くなっているという。そこで、県教委の制度「信州つばさプロジェクト」で今月にアメリカ研修を控える2年生の生徒(17)が呼び掛け人となり、研修の参加者やこれまでに海外研修を経験した生徒9人で寄付を募ることにした。

「海外に興味があっても、金銭的な理由で断念する生徒は多い」と鈴木さん。「海外に挑戦しやすい環境を整えたい」と多くの協力を求める。企業へも働き掛けるという。寄付金は今回の研修参加者の渡航費用の半額程度に活用するほか、一部を県教委の研修参加者の支援や来年度以降のための基金に充てる計画だという。

カンボジア研修は来年1月2~8日。1、2年生16人が参加する。現地で日本企業が進める小学校建設の見学、孤児院や小中学校での交流、教育を受けられなかった女性が働くNPO法人の工房や女性の家庭の訪問を予定する。

「将来は日本の食料自給率を上げる活動に貢献したい」と話す2年の生徒(17)は初の海外となる。研修を通じ、気候変動による不作などに苦しんでいるという現地の様子を見聞きして「食料の安定供給を達成するにはどうすればよいか考えたい」と期待を膨らませている。

支援の方法は、現金の場合は同校事務室へ(平日午前8時30分~午後5時)。振り込み用の口座も設けている。

振込先口座は次の通り。
八十二銀行伊那北支店(554)
口座番号=普通313484
口座名義=伊那北高校基金会計代表埋橋浩

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