イオンリテール 下諏訪でドローン初実証実験

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荷物を積んで離陸するドローン

早くて2025年に新店舗を下諏訪町南四王に開店する予定の総合小売業のイオンリテール(本社・千葉市)は13日、同店舗でのドローンを活用した配送サービスなどの実用化に向けて、初めてドローンのデモ飛行を行った。同事業で協定を結ぶ日本航空(東京都)とKDDIスマートドローン(東京都)と共同で実施。同町の赤砂崎公園を発着点に、諏訪湖上で遠隔制御による自立飛行を試した。

イオンリテールは、人口減少やトラック運転手の不足が懸念される物流業界の「2024年問題」などを背景に、流通プロセスの最適化や効率化を図ろうと、ドローンを活用した配送サービスを模索。18年に閉店した「イオン諏訪店」跡地に新店舗建設を計画する中、同町とまちづくりに関する協定を結び、同社店舗として初のドローン配送の実証実験を行うことにした。

この日使用したのはプロペラが6基のドローンで、縦横1・6メートル、高さ60センチ、重さ約20キロ。高度150メートルまで上がり、航続可能距離は10~12キロ、重さ20キロまで運べるという。KDDIスマートドローンが開発した運行管理システムに速度や高度、運行ルートなどを入力し、データを本体に送信すると起動。離陸から着陸まで自動で行い、その間オペレーターが飛行データやカメラの映像で状況確認する。

ドローンは自立飛行だが、オペレーターが飛行状況を確認し安全確認などを行う

新店舗では防災拠点の役割も目指しており、デモ飛行は災害時の支援物資運搬を想定して、専用の箱に2リットルの水が入ったペットボトル3本とブルーシート2枚の計7・2キロを入れた。下諏訪町役場にいるオペレーターがドローンを起動させ、その場から上昇し、上空40メートルの高さで湖上の沖合3~400メートルまで飛行。計1キロ、約2分間飛行した。

終了後、イオンリテールの担当者は取材に「7・2キロの荷物を運べて、災害時にも活用できると確認できた。成功と言っていい」とし、「実証実験を繰り返して実用化に向けてステップを踏んでいきたい。25年を目標にさまざまな取り組みを下諏訪で進めていく」と話した。

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