駒ケ根市長選告示まで3カ月
任期満了に伴う来年1月14日告示、同21日投開票の駒ケ根市長選の告示まで3カ月となった。これまでに新人で市議の松﨑剛也氏(48)=無所属、下平=と、現職で1期目の伊藤祐三氏(63)=無所属、福岡=が立候補を表明。選挙戦が確実となっており、現新2人の一騎打ちの構図となる公算が大きい。
松﨑氏は、伊藤氏が1期目の成果に挙げる財政再建について「市民のために積極的に取り組むべき政策を先送りにした」と指摘。現職の市政運営を「消極的」と評価した。「(必要な政策に)今、取り組まないと駒ケ根に元気がなくなる」と訴え、自らは財政再建を進めつつ、幼稚園・保育園施設の耐震化や地域公共交通の見直しなどを推進すると主張する。
8月8日に立候補を正式表明。今月末で市議を辞職する予定で、既に、中学時代の同年生、子育て世代を中心に各「応援団」を結成し、政策をまとめたリーフレットの配布やSNSを活用した情報の拡散、市民との対話集会の企画開催など草の根の運動を展開している。今月15日には、各応援団をまとめる形で「市民応援団」を新たに発足し、さらなる浸透を図る。市内各区に後援会支部を設け、組織的な支持拡大も進めていく。
伊藤氏は9月26日、市議会9月定例会で出馬を表明。財政健全化による将来負担比率改善や、コロナ禍の社会変容を踏まえた第5次総合計画の前倒し策定により「市政の二つの基盤」を整えたと1期目の実績を強調し、「市をさらに前に進めていく」と2期目を目指す意向を述べた。具体的な政策は「できるだけ早い時期に発表したい」とする。
新人同士の一騎打ちだった前回選で、伊藤氏は特定の政党や団体の支援を受けず、中学高校時代の同級生らでつくる「応援団」と共に草の根の運動を展開。地元衆院議員や県議の各後援会の推薦を受けた相手候補を破り、初当選した。今月11日の取材に「現時点では(政党や団体の)推薦をもらう予定はない」と語った。事務所開きを済ませた後援会は、ミニ集会を重ねるなどして1期目の実績を訴え、伊藤氏の考えに「共感」する支持者を増やしていく方針。
日本共産党上伊那地区委員会は、伊藤氏に対して党としての政策に関する要望書を提出しており、締め切りとした今月末の回答を待つ。また、松﨑、伊藤の両氏に対して政策に関する公開質問状の提出を検討しており、「この回答内容を含め、両氏の政策を見極めた上で党としての判断を決定したい」としている。
市内では、市民団体が市長選と松﨑氏の辞職に伴う市議補選を踏まえて、駒ケ根の将来について市民同士が意見を交わす集会を企画。住民の関心が選挙に向き始めている。