暴れ天狗、獅子と攻防 神明神社秋の例大祭

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境内を所狭しと暴れ回った天狗

辰野町北大出の神明神社の秋の例大祭本祭りが15日、同神社で行われた。暴れ天狗で知られる「お舟祭り(天狗祭り)」として町の無形民俗文化財指定を受ける奇祭で、新型コロナウイルス感染拡大により暴れ天狗は4年ぶりの登場。地元の若者が扮する天狗と獅子の熱い攻防が境内で繰り広げられ、見物客やアマチュアカメラマンらを楽しませた。

天狗祭りの起源は諸説あるが、町史によると、里人をさらおうと山から下りてきて境内で暴れる天狗が獅子と争い、獅子によってお舟へと引き込まれる場面を表現した奉納神事とされる。毎年、地区内の五つの小路が持ち回りの当番制で行い、今年は鞍掛小路が担当した。

「ホォーウ」と奇声を発し、布を張り笹で飾られたお舟から一人ずつ順番に登場した天狗は、所狭しと境内を暴れ回り、急な坂を転げ落ちたり飛び跳ねたりして、時に訪れた観客らを威嚇。お舟の脇で構える4頭の獅子が、舟の中へ戻ろうとする天狗を「もっと働け」と追い立てる場面も見られた。

最後の天狗が登場すると、獅子たちは集まった子どもたちの頭を優しくかんで無病息災を祈願。天狗や獅子に驚いて泣き叫ぶ子もいたが、小さな子を連れた母親は「家族だけでなく地域も安泰であってほしい」と願っていた。

例大祭では辰野南小学校5年生の太鼓の奉納もあった。

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