源田さんプロデュース映画 国際映画祭で受賞

ニース国際映画祭で最優秀外国短編映画作品賞を受賞し、作品の見どころを語る源田さん
下諏訪町出身の源田泰章さん(41)=東京=が制作プロデューサーを務めた短編映画「変わらない。変われない。それでも、」が、ニース国際映画祭2023で最優秀外国短編映画作品賞を受賞した。五つの短編映画からなるオムニバス映画「絆のものがたり」の1作品。源田さんは「作品を見たことで、こんなに大切な絆が近くにあったんだと感じてもらえる作品になっている」と話す。岡谷スカラ座(岡谷市)で27日から上映される。
絆のものがたりは、吉本興業(大阪市)が全国で進める映画による地域活性化プロジェクト「地域発信型映画」として制作された。同社からの依頼で、源田さんが社長を務める「源田企画」が映画制作を担った。東北6県を舞台に、さまざまな絆の形を5作品で表現している。各作品とも15分間。
受賞作「変わらない―」の監督・脚本は福田浩之さんが務めた。俳優陣は松浦祐也さん、山口紗弥加さん、佐藤二朗さんらが出演。ストーリーは浮気をした夫が、亡き妻の記憶とともに生きていく軌跡を描く。撮影は2020年12月下旬、青森県外ケ浜町で3日間かけて行った。大雪の合間を縫っての撮影で「寒くてかなり厳しかったが、30分弱の映像をうまく撮り切れた」(源田さん)と振り返った。
映画祭には昨年秋に出品。約1年の審査を経て受賞に至った。表彰式は5月にフランス・ニースで予定されていたが、フランスの国内情勢などから延期となり、9月にスペインのマドリードで開かれた。同作からは源田さんが代表して出席し、受賞記念の楯を受け取った。
源田さんは映像の制作会社を経て、15年に会社を設立。監督やプロデューサーとして映画作りを続けている。受賞作の国際的評価を喜びつつ、アジアの他国と比較して、日本映画は海外で「見られている」とは言えない―と課題も感じている。「国際的に評価をいただきながら、日本はもちろん海外の多くの人に見てもらえるような作品を作っていきたい。そのために”日本らしさ”をもっと出していきたい」と先を見据えている。