県教委 特別支援教育にICT活用推進

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動きに応じて変化する投影映像を体験する子どもたち=長野市の長野養護学校三輪教室

県教育委員会は16日、障がいのある児童生徒のICT機器の利活用などを推進する「ICT・ATリソースセンター」を県内2カ所に開設した。先進的なICTやAT(機器を活用して障がいによる困難や障壁を改善、克服する支援技術)機器と専門員を配置し、県内の特別支援学校や通級教室に通う児童生徒らが自らの特性に応じた機器の試用することができる拠点を整備した。県内の特別支援教育の一層の充実化が期待される。

県教委特別支援教育課によると、特別支援教育においてもICT機器が充実化してきている一方、教育現場には十分に浸透していないという。このことから同課は昨年度、各特別支援学校にICT活用推進担当者を配置し、ICT機器の活用を推進。今年度は、教職員や保護者からの相談や機器の試用、普及、評価をする拠点として、長野市の長野養護学校三輪教室と松本市の松本ろう学校の2カ所に設置した。

同センターには、動きに応じて変化する投影映像の体験などができる機器「マジックカーペット」のほか、視線でタブレット端末を操作できる視線入力装置や腕を支える上腕補助装具など45種類の機器をそろえた。各校に貸し出すほか、試用もできる。16日は、東北信センターで報道向けの説明会が設けられ、併設する長野ろう学校に通う年長児2人がマジックカーペットを体験し、投影された泡や星に触れるなどして楽しんだ。

東北信センターの青木高光教諭は、一人ひとりの特性に応じた学びの手法や仕掛けが必要とされる特別支援教育において、「センターに来れば高価な機器や使用方法が分からない機器を試用したり、相談できることは有用なことだ」と指摘。「先端的な機器を活用するハードルが下がり、児童生徒の学びの環境整備の推進に役立てていきたい」と話した。

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