大昔調査会が「有り、触れた、未来」上映会

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上映会のポスターを手に来場を呼び掛ける大昔調査会の髙見俊樹理事長

一般社団法人大昔調査会(髙見俊樹理事長)は21日午後1時から、映画「有り、触れた、未来」(山本透監督)の自主上映会を諏訪市文化センターで開く。諏訪市の児童生徒が東日本大震災で被災した宮城県東松島市、石巻市を訪れて命や防災について学んだ「虹のかけ橋プロジェクト」で、宮城県側の窓口を担った齋藤幸男さんの著書「生かされて生きる~震災を語り継ぐ~」(河北選書)を原案にした作品。県内での上映は初めて。入場無料、申し込み不要で、中高生など多くの来場を呼び掛けている。

映画は、命と向き合い、懸命に生きる人たちの群像劇。恋人を事故で失った女性、将来への不安と闘いながら舞台で躍動する若手俳優たち、自然災害で家族を亡くして自殺願望を抱く少女など、命をめぐる物語が折り重なり、支え合い、分かち合い、立ち上がる「ありふれた物語」の尊さを映し出す。若者たちのほか、桜庭ななみさんや杉本哲太さん、手塚理美さん、北村有起哉さん、麻生久美子さん、原日出子さんら実力派の俳優が参加した。

映画は2020年、コロナ禍に絶望した俳優や表現者の命を支えようと、山本監督を中心に22人の俳優が集まって自主制作された。21年3月11日、震災10年の宮城県で着想を得た山本監督が「生かされて生きる」を原案に脚本を執筆。プロデュースは齋藤さんの娘で俳優の舞木ひと美さんが担当し、全編を宮城県内で撮影して今年3月に同県から上映を開始した。

齋藤さんは石巻西高校教頭時代に震災を経験し、避難所の運営に携わった。12年春、母校の東北大学で同期生だった髙見理事長(当時・諏訪市教育次長)の依頼を受けて諏訪市で講演を行い、両市の児童生徒が行き来する交流が始まった。交流は18年度まで続き、諏訪市からは子ども180人、石巻市から大人を含む約400人を受け入れた。

齋藤さん(69)=宮城県塩釜市=は「東日本大震災から12年。『希望を捨てない』ということを子どもたちに教えられ、映画の自主制作に走り出した若者たちの力を見て感じた。隣にいてそっと手を差し伸べてくれて、思わず心が温まり、大切なものを思い出させてくれる映画です。ぜひ一人でも多くの人に見てほしい」と話している。

上映後には、山本監督と舞木さん、齋藤さんのトークショーがある。

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