諏訪の酒造をガラス造形に 芸大院生が見学

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仕込みの様子を見学し、作品制作のイメージを膨らませる東京芸術大学ガラス造形研究室の学生たち=伊東酒造

東京芸術大学ガラス造形研究室に所属する大学院生5人が、諏訪市内5軒の造り酒屋(諏訪五蔵)のPRプロジェクトとして、諏訪の酒造をイメージしたガラス作品を共同で考案している。若い感性で捉えた日本酒の新たな魅力を発信し、芸術の側面から地域振興につなげる。16、17の両日に五蔵の酒造りや、同市湖南で栽培する酒米「美山錦」の田んぼを見学し、作品のイメージを膨らませた。

地域資源でもある地元酒造を巡る環境が、若者の日本酒離れやコロナ禍の影響で厳しくなりつつある現状を受け、諏訪市を交えて立ち上げた。学生たちの柔軟な発想を借り、日本酒に新たな付加価値を見いだす狙い。県の「地域発元気づくり支援金」を受けて取り組む。

諏訪湖の砂を使ったガラス製品の開発などを行う「SUWAガラスのテロワール」で以前から交流のある同研究室に白羽の矢が立った形。同研究室テクニカルインストラクターの地村洋平さん(39)は「地域のニーズに対して学生がどのように応えるかという課題でもある」と話す。

17日には「横笛」醸造元の伊東酒造(諏訪2)を訪れ、米を蒸す様子や、麹と水を仕込み用のタンクに投入する作業を見学。雑菌の繁殖により酵母が薄まるのを防ぐため複数回に分けて仕込みを行う「三段仕込み」の説明を受け、社長兼杜氏(とうじ)の伊東毅さん(45)から醸造の仕事や、酒かすの利用方法などについて話を聞いた。

学生の一人、福澤佑哉さん(25)は「米から立ち上る湯気や匂い、職人さんの息遣いなど、画像や動画では伝えられない生の空気に刺激を受けた」とし、「諏訪の人たちの実直に仕事をこなす人柄や風土、歴史を作品に織り込むことができれば」と語った。

伊東さんは「反響を呼ぶ作品が完成すれば、市などとも連携して地域の発展につなげられるのでは」と期待。「若い人が日本酒を楽しめる環境をつくり、ファンを増やしていきたい」と意気込んだ。

今後は学生同士で意見を交わしながら作品を試案し、11月末に諏訪五蔵の関係者らにプレゼンテーションを行う予定。来年2月の納品を目指す。

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