伊那市の西天竜発電所 大規模改修完了へ

LINEで送る
Pocket

大規模改修事業が終わる伊那市小沢の西天竜発電所

県企業局が伊那市小沢の西天竜発電所で進めていた大規模改修事業が今月末までに完了する。年間約1800万キロワット時(約5000世帯分)を発電する施設に加え、約6400平方メートルの敷地に芝生や遊具のある広場、多目的ホールを配し地域に開かれた空間として整備。大規模停電時には電気自動車の充電などもでき、災害対応も兼ねる。27日に竣工(しゅんこう)式、29日に完成見学会を開く。

同発電所は岡谷市川岸の天竜川から取水し、西天竜幹線水路(約25キロ)を経て末端部の落差を利用して発電。1961年から田植えの最盛期などを除く時期に稼働してきたが、老朽化や再生可能エネルギー推進のため2018年に大規模改修に着手した。工事の過程でできる更地は住民らに活用してもらえる施設とするよう地元伊那市と相談しながら広場も整備した。

発電設備は以前の発電機1機に代え、少ない水でも発電ができる小型水車発電機2機に変更。水の少ないかんがい期も含めて発電ができるため、年間の発電可能日数は120日増えて335日に。年間発電量も660万キロワット時(約1800世帯分)の増加となった。新しい発電機は22年2月から稼働している。

発電所の敷地内に整備された芝生や遊具のある広場

大規模停電時は、水が流れている状態であれば自立発電によって敷地内の電力を賄うことが可能。避難場所としての役割のほか、電気自動車やスマートフォンの充電にも対応できる。

以前の発電所は地上式だったが、改修により地下約25メートルに設置する形式となった。そのため、埋め立てた周辺の土地に広場を整備。ブランコや複合遊具、あずまやを設けた。多目的ホールは学校の教室ほどの広さがあり、小学生の施設見学や住民の集まりなどに活用してもらう。
 
県企業局が発電所の敷地を地域に開放するのは初めてという。同局南信発電管理事務所は「地域の方に開かれ、愛される施設になってほしい」としている。

29日の完成見学会は午前10時から順次6回行う。最終回は午後2時20分から。1回当たり30人ほど。事前申し込み不要。参加無料。現場の駐車台数の都合により、春日公園第2駐車場から無料マイクロバスを運行する(午前9時30分ごろから随時)。問い合わせは同事務所(電話0265・72・6121)へ。

おすすめ情報

PAGE TOP