機織を楽しむ会が展示会 原村で21、22日

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初の展示会を開く「機織を楽しむ会」の会員

原村内外の20~80代の有志約10人でつくる「機織を楽しむ会」は21、22の両日、初の展示会を同村大久保の古民家で開く。古布を細く裂いて糸の代わりに使う「裂き織り」を継承しようと昨年4月に発足。会員たちが裂き織りで作った反物をはじめ、手提げかばんや服など100点近くを飾る。古民家を拠点に裂き織りを発信していきたい考えで、同会は「村の伝統文化として残してほしい」と願っている。

布が貴重だった時代から、使い古した着物などを裂いて横糸にした裂き織り。村内では「ぼろ機織り」と呼ばれ、農閑期の女性の手仕事として伝わってきた。近年は織り手が減少し、高齢化や後継者不足が課題だ。

同会は、約20年前から機織りに取り組む牛山よしみさん(81)を中心に、近所の仲間らで立ち上げた。移住者をはじめ、伊那市や南牧村、東京から通う初心者の会員もいるという。牛山さん所有の古民家を拠点に月1回、互いに教え合って機織りを楽しんでいる。

古民家は築約100年で以前は養蚕で使われていたといい、日吉神社(大久保)近くにある。大工だった義祖父が建てたため、壊すこともできず、何か活用できないか-と考えていた牛山さんだったが、1級建築士で村地域おこし協力隊の内田将大さん(33)が「梁も太くて壊すのはもったいない」と賛同、協力。村の地域づくり支援事業補助金を活用して整備し、展示会を企画するに至った。

展示作品は裂き織りのクッションカバーやかばん、布地と組み合わせたベストなど。古布だけでなく、セーターをほどいた毛糸で織ったコートやススキを織り込んだタペストリーもある。このほか、茅野市の若手裂織作家の作品も並べている。

牛山さんの長女、白鳥美代さん(53)=辰野町=も最近機織りを始め、コースターを出品。「経糸を通すなど思ったより大変だが、使う古布によって色んな色が出て楽しい」と笑顔。牛山さんは「昔の人は物を大事にしていた。裂き織りは丈夫だし、愛着も出る。織りをやりたい人がいたら誰でも来てほしい」と話している。

大久保公民館駐車場が使える。入場無料。午前10時~午後3時。問い合わせは牛山さん(電話0266・79・2416)へ。

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