特産のカリン、砂糖漬け作業佳境 諏訪

薄切りにして煮詰めた実を手際よく仕上げる従業員
諏訪市諏訪2の中央食品工業(伊藤泰輝社長)で諏訪地方特産のカリン(マルメロ)の砂糖漬け作業が盛んだ。今季の作業は12日に始まり、今が佳境。約1トンの実を約2週間で一気に加工する。薄切りにした実を砂糖でじっくり煮詰め、一片ずつ手作業で仕上げる作業にベテランの従業員たちが腕を振るっている。
ご当地性に加えて、体に優しい菓子、食品として小さな子どもから年配まで好まれる同社の看板商品の一つ。コロナ禍を機に栽培農家が減ってしまい、同市が管理する諏訪湖畔カリン並木からも調達した。霜にあたったものもあるが「総じて出来がいい」(伊藤社長)という。
砂糖で煮詰めると渋みが抜けて香りが立ち、甘くほのかな酸味が爽やかな味に仕上がる。3代続く伝統の製法を守り、袋詰めにして販売するほかエキスやあめ、サブレ、ようかんなどに通年用いる。伊藤社長らは、保存の効く加工、おいしい味わい方を考案した先代の知恵に感慨を深めながら、ひと鍋ごと細心の注意を払って仕上げている。
砂糖漬けは1袋700円(税抜き)、諏訪地方の小売店、観光施設などで販売する。問い合わせは同社(電話0266・58・0781)へ。