2023年10月24日付
諏訪地区森林づくりの集いが4年ぶりに開かれた。舞台は下諏訪町のいずみ湖公園周辺。諏訪地方5小学校のみどりの少年団を含め総勢約140人が参加し、ヒノキの枝打ちに汗を流した▼良質な材木に育てるための作業。地表まで光が届くようになり、水源かん養などの機能が発揮できるようになる。「森林が喜ぶように頑張りたい」。下諏訪北小の児童が取材に頼もしい言葉を返してくれた▼諏訪地域の森林、里山の大半は諏訪湖につながっている。手入れによって里山が喜べば湖も喜ぶ。諏訪湖は自然湖であり、営みとともにあった里湖〈さとうみ〉でもあろう。漁、遊泳、スケート。モノクロームの写真を眺めればいかに暮らしと密接していたか分かる▼自分が子どもだった頃、湖は悲しんでいた。悲しませてしまっていた。緑色のペンキを流したかのような湖面にし、コンクリート護岸で水辺に近づけなくしてしまった。いまは違う。日常でも人が集う。高度成長期の反省から官民で環境改善に取り組み、少しずつ笑顔を取り戻してきたと感じる▼湖周でサイクリングロードの整備が進み、年度内にも全線16キロがつながる。水草刈りなど人の手による管理が必要な諏訪湖。水辺を利用することでもっと環境を良くしたいとの思いが醸成されるだろう。保全再生と利活用を両輪として諏訪湖を笑顔に。地域内外の人と湖を近づける架け橋になってほしい。