芦部信喜の功績と人柄 12月3日に講演会

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芦部信喜が東京大学助手時代から米国留学、帰国後にかけて作成した「芦部ノート」

駒ケ根市は、戦後日本を代表する同市(旧赤穂村)出身の憲法学者、芦部信喜(1923~99年)の生誕100年を記念して、12月3日、講演会を同市東町のアイパルで開く。ともに芦部の出身校・伊那北高校(旧制伊那中学校)の卒業生で、同校同窓会事務局長の岩崎靖さんと元最高裁判事の那須弘平さんの2人を講師に迎える。芦部の功績や人物像を市民に広く知らせ、郷土への誇りの醸成を図る考えだ。

岩崎さんは元高校教諭。芦部の生誕100年を記念し同窓会が今年5月に発行したブックレット「われは往(ゆ)く」を編集した。芦部憲法学の原点となった論考「新憲法とわれらの覚悟」や、晩年に平和憲法について講演した記録など同窓会が所蔵する芦部関連資料をまとめた冊子で、全国の憲法学者の注目を集めた。講演では同窓会所蔵資料を基に芦部の人となりをひもとく。

那須さんは芦部と同じ東京大学法学部出身。2006~12年、最高裁判事を務めた。司法のトップを務めた経験から芦部憲法学に触れつつ、その功績を解説する。

講演会は午後2時から。定員約100人。会場には戦後間もなく市内で発行し、「新憲法とわれらの覚悟」を掲載したガリ版刷りの雑誌「伊那春秋」第4号や、東大助手時代から作成していた直筆ノートなど芦部ゆかりの品を展示する予定。参加申し込みは11月30日まで電話、メール、専用フォームで受け付け中。申し込み方法は市公式ホームページに掲載している。

芦部の記念事業を巡っては、高度な憲法学の業績を発表した研究者に贈る「芦部信喜賞」を創設する方針を市が昨年11月に示したが、事前説明がないままに先行して候補者の募集を始めた点や、副賞の100万円を公金から支出する点を問題視する声が市議会から上がり、事業を白紙撤回した経緯がある。市は今年度当初予算に事業費50万円を計上していた。

昨年12月の市議会12月定例会一般質問では「憲法論議は地方自治体が関わる問題ではない」との指摘もあった。24日の定例会見で、伊藤祐三市長は「学問の世界で芦部先生が残したものを後輩の私たちがたどることはまちの歴史、市民のプライドにつながる」と強調。改憲、護憲など憲法に対する考え方は「さまざまな立場がある」とし、「市がどちらがどうだとか価値判断するもの(事業)ではない」と述べた。

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